院長ブログ

Body image とスポーツと漢方:3

2016.12.31
日本シリーズも日本ハム優勝で幕を閉じ、サッカーの天皇杯がどうなるかを楽しみに過ごしている今日この頃です。黒田博樹投手、三浦大輔投手が引退の中、キングカズ、ゴン中山の現役続行はすごい事だと思います。さてサッカーについてですが、私は個人的にガンバ大阪のファンです。理由は地元贔屓であるのと私の子供がファンであるというのが大きいのですが、天皇杯を見ても個人的には宇佐見選手が抜けた穴は思いのほか大きいのだなと言うのが印象です。野球に比べれば試合でプレーする選手が多いのに控えの選手は遙かに少ない様に思います。ぜひ町をあげてもっともっともりあげていってほしいものですね。すべては共同体感覚だと思います。 またSMAPの紅白出場は残念でしたね。ただここは「とらえ方の問題」だと思います。あの5人の人達にとって「SMAPとはどういう存在だったのか」という意味を今後5人が個々にもっと考えてほしいと思っています。かく言う私も、以前に勤めていた大学病院に勤務している時に「自分はこの医療機関の勤務部門に必要な人間なのだ」と思っていた時期がありました。今思えば大きな間違いだったと思います。はっきり言えば真逆だったのではないでしょうか。私にとって必要だったのが「以前の勤務先」であり「勤務部門」だったのでしょう。今は「辞められなかった」ではなく、「辞めたくなかった」のだと思っています。人にとって本当に大切なものは「自分の存在感を十分に感じられる場所」、いわゆる「コンフォートゾーン」ではないでしょうか。今は井上クリニックや家族には私が必要であるではなく、私にとって必要な物は井上クリニックや家族だと思っています。抽象度を上げて考えて見れば、仮に私がいなくなったとしても、カオス理論におけるバタフライ効果のような物は発生しません。みなさんもぜひ「自分はいったい何がしたいのか」と問いかけでみてください。答えはすぐ近くにあると思います。これも共同体感覚ではないでしょうか。 さてBody image とスポーツと漢方の第3段となりますが、要は「体の内側から炎症を起こりにくいようにするにはどうするのがいいか」と言うことです。以前に山本昌投手(元中日)がテレビで言われていたのですが、シーズン中にはNSAIDS、いわゆる消炎鎮痛剤は極力飲まないようにしていたそうです。他の選手たちもそうだと思いますが、脳のレベルで痛みを抑制するために、体に深刻なダメージが起こっていることを分からなくする可能性があるからだそうです。ですので、試合での投球後はとてつもなく大きい氷嚢のようなもので肩や肘をアイシングしている姿をよく見かけますよね。その後は先発投手は中5−6日休養をとっての繰り返しです。登板の翌日からは電気治療器や特殊なバスで休養でしょうか。昔はWarmストレッチといって冷やすなと言われてた時期もあったようで、特に登板後にキャッチボールで仕上げだったそうです。何が言いたいかと言えば、時代と共に治療の流れは変わっており、「本当の意味での正論はよく分からない」であると言う事だと思います。おそらくそれらは個々の人によって違うのだと思いますし、ちょっとだけ冷やした方がいい人もいれば、そうでない人もいるのだと思います。 それでも、急性期:試合中や直後は「やはり冷ますでしょう」し、その後は「筋肉をほぐすと暖める」だと思います。しかし、西洋医学のほとんどは「体の外側からの治療」と「冷ます事で炎症を抑える」「脳のレベルで痛みを感じにくくする」であり、特に漢方のように「暖めて炎症を改善させる」「炎症を起こりにくくする」ものは皆無だと思います。そんなとき有効なのが「暖める」「末梢循環を改善させる」「浮腫をとる」漢方薬だと思います。この効果を有する物は「八味地黄丸」や「桂枝茯苓丸」などが上げられれます。特にオフシーズンは大切な治療だと思います。ぜひ、怪我をしやすい人は試してみてください。 ちなみに金田投手はけっして車も左側には座らなかったそうですし、夜も左肩を冷やさないように、長袖などで工夫されていたそうです。暖める治療、それは漢方だけが持ってる技ではないでしょうか。 PS:「脚や膝が痛くて浮腫んでいるんです」と言う患者さんがおられます。整形外科では「炎症がおこるから痛くて、浮腫んでいるんですよ」と説明されるでしょう。しかし、私は「浮腫んでいる状態を脳は痛みと感じているんですよ」と説明しています。これは一見、同じ事のように感じるかもしれませんが、実は全く違うことなのです。このような場合は浮腫をとる漢方をぜひお試しください。