院長ブログ

インフルエンザについて

2014.01.24

11月11日に新医院、井上クリニックが新規オープンいたしました。その前後のごたごた等の雑用にかこつけて、院長ブログをサボっておりましたが、そろそろ再開しろとの周辺の声もあり書かせていただきたいと思います。今回のテーマはインフルエンザです。この病気を漢方薬で治そうと言うことは、(まあ可能ではありますが・・・)、おすすめいたしません。今回お話ししたいことは、(1)東洋医学を知るとインフルエンザにかかりやすい人とかかりにくい人の見極めが出来る事、と(2)元気な人のインフルエンザ治療に過剰な治療は必要ないと言うことです。

まず(1)からですが、私の定義からですが、インフルエンザは私は子供がかかる病気だと思っています。大人がかかる病気だとは思っていません。確かにインフルエンザはスペイン風邪のような猛威をふるった例もありますが、一般的には(鳥インフルエンザなどは置いておいて)、弱毒であると言うことです。自己免疫が成立した大人がかかる病気だとは思えません。新型インフルエンザが猛威をふるったときでも罹患したのは学生ばかりで、教師は罹患していません。インフルエンザはかかる人はワクチンをしてようがしていまいが、何度でも罹患するでしょうし、かからない人はワクチンをしていようがしていまいが罹患しないと思っています。私が診察するときに診ているものは「陰虚」であるかどうかなのです。要は、防御機能が備わっていない人「口渇、皮膚のカサカサ、鼻粘膜の炎症など」がある人は渇きがあり、陰虚であると診断し、その防御機能の弱さからインフルエンザなどのウイルスから身を守れないのだと思っています。ならばその人に必要なのは、「マスク、手洗い」の徹底だというのは当然の流れなのではないでしょうか。とくに甘味類のとりすぎ、コーラやサイダーなどの過剰摂取、酸化した油はいいわけありません。食事内容を見直し、腸管免疫を高める漢方薬を内服し、そして皮膚の渇きを治す。これが漢方治療であると思っています。

さて、そもそもインフルエンザはそれほど怖い病気なのでしょうか?さらに「インフルエンザは早期治療が大切。」と始まりますが、さてこれは本当でしょうか?インフルエンザは、特に病気を持たない健康な人がかかった場合は特に治療しなくても9割方治ってしまいます。タミフルなどの「抗ウィルス薬」の効果は、発熱、全身の痛み、鼻水咳などの症状の持続期2日程度短縮されるだけ(平均5日間→3日間)とされていますが、死亡や肺炎などの入院を必要とするような重い合併症を予防する効果は今のところ世界的にも証明されていません。このようにインフルエンザは予防も、治療も十分に行える病態なのではないでしょうか。