院長ブログ

Body imageとスポーツと漢方:1

2016.10.11

野球にかぎらずサッカーなどの団体競技は、メンタルな部分が非常に重要な、頭脳系の競技だと思います。私は学生時代、ボート競技をしていましたが、早慶レガッタ、東大ー一橋レガッタなど優秀な大学ほど強かったものです。優秀な監督、コーチのもと、自分たちで合宿しながら、練習方法、食事内容、試合の流れを考えることこそが大切だったと思います。先日のサッカー日本代表の試合は勝ちこそしましたが、少し残念な内容だったのではないでしょうか。以前に、野球評論家の野村克也さんが、4番バッターとエースは天性だから作れません。野球はメンタルなスポーツだから4番バッターをコロコロ代えてはいけないと言われていました。人も生き物なのですから必ず不調の時期はあります。エースストライカーは天性なのですから、絶対的信頼をもって接するしかないと思います。もしいい動きができない、また期待していた事ができなかったのなら選んだ人間の目に狂いがあったと言わざる得ないでしょう。ただ周囲の助けがあっての団体競技ではないでしょうか。それがチームの共同体感覚につながれば今年の広島のように必ず優勝できると信じています。

さて今回のお話にはBody imageという聞き慣れない言葉が出てきたと感じる方々もおられるのではないでしょうか(まあ、そんなに多くの人がこのブログを見ているようにも思えないのですが・・・。)例えば、ここに丸い玉があるとします。私はこれを目で見ることで丸い玉であることを認識出来ますが、重さや冷たさ、熱さ、堅さは触らないと認識することが出来ません。要するに、ボールにかぎらず、多くの物事の認識は複数の体性感覚によって脳で識別することができる、高次脳機能の一貫であることが理解出来ると思います。人間の体には非常に多くの識別機能が存在します。例えば熱い物を持ったとき火傷するかもしれないと感じるのは、外受容感覚という受容体で識別されるアラームサインなのですが、それ以外にも固有知覚といわれる痛みの受容体が筋肉、関節などに存在すると言われています。実際、まか不思議な痛み症状で私の医院に受診される方のほとんどがこのタイプの痛み症状だと私は考えています。

固有知覚領域の痛みは例えば「台風が近づくと頭痛がする」「疲れると肩が凝る」「雨降りの日は古傷が痛む」など、気圧や気温の変化などに左右され、「いわゆる浮腫:むくんだような違和感」「つぱったような違和感」「重苦しいような違和感」で痛みが誘発されるケースが大半だと思だと思っています。

私は現在174cm、75kgですが、超長距離のマラソン競技をしていた時は68−70kgくらいに絞っていました。それ以下でも寒暖の差が激しい競技ではしんどく、それ以上でも体が重かった記憶があります。要するに、それくらいが一番動きやすかったからという意味でしょう。おそらく人間の脳は、自分の体にあった体の感覚(Body image)を脳の中にもっており、それが急激に変化することに違和感を感じやすいという事なのです。

次回に続く・・・。