院長ブログ

体質を見極める:その2

2013.07.30

本日、夕診にて当院にかかられている患者さんの友人のかた(中国からの患者さん)が来られました。福建省の方です。もちろん日本語はしゃべれません(付き添いの方が中国語が堪能)。なんでも、数日前に日本にきて、あと数日で中国に帰るらしい。症状は2−3日まえから食欲低下、のどが痛い、熱は微熱、咳、痰はない。風邪症状ですが、う〜ん、です。舌は紅黒色に薄い黄色の苔、脈は沈滑弦、さらに、う〜んです。そのとき、ふと思い立って、聞いてみました。きっと、ふだんから何か飲んでいるに違いない・・・。やっぱりありました、板藍根(バンランコン)、菊花です。福建省は台湾にちかく、暑いところ。温病発症(高熱発症しやすい風邪)しやすい体質の持ち主だったのですね。すなわち、この方の風邪症状は外邪(インフルエンザなど)の力が強くて起こった場合ではなく、内側の力が弱まったために相対的に起こった症状だと思いますが、もし葛根湯などを、何も考えずに処方していたら使うとえらいことになったかもしれません。ちなみに、私がお出しした処方は小柴胡湯加桔梗石膏と食欲不振があったので点滴(患者さん希望)ですね。その人の食生活などを聞いてみると、漢方は当てれる確率があがりますと言うのを久しぶりに実感した症例でした。